2011 7月に読んだ本

今年読んだ本 112冊


7月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3865ページ
ナイス数:904ナイス

サヴァイヴサヴァイヴ
やっぱりいいなぁ。楽しませてもらいました^^最初の2編が特に好き。『老ビブネンの腹の中』恐怖を感じたあとに、感じたからこそ気持ちは高揚し、生き延びられた幸せを思う。「身体の痛みも、不快感も、すべて生きている証だ。楽でいたいなら自転車選手などになっていない」『スピードの果て』が一番好き。生死を分ける境界線が、身体のすぐ近くにあると気づいてしまって身体が凍りつくなか、それでも世界の頂点を感じた時には、血が湧き身体が痺れそして勇んでゴールに飛び込む。くぅっ!しびれるねぇ。男達の世界だ。かっこいい〜
読了日:07月28日 著者:近藤 史恵
雨にもまけず粗茶一服雨にもまけず粗茶一服
面白かったなぁ。いつもは、だらだらダメダメ若者の話はイライラしちゃうのだけど、これは、ほらほら上手くやるんだよ!と世話がかかる遠縁の子を見守るような気分で読みました^^新聞配達の朝、金木犀の匂いを感じて花が伝えたいことに耳を傾けようとしている自分に気づいたり、道にお香の匂いが立ち込めて趣が感じられるのを素直に悪くないと認められたり・・・この辺りからオバちゃんは君の味方だよ!って気分が盛り上がってきましたねぇ。やはり只者ではない感じを醸し出しているし(笑)さぁ、修行の門を叩いた続巻はどうなる!?楽しみだぁ。
読了日:07月26日 著者:松村 栄子
聖夜 ― School and Music聖夜 ― School and Music
School and Music 第2弾。牧師の父を持ち、教会、礼拝という特別な環境に育っている主人公だが、その心の揺れは特別なものではなく、むしろ、自分の若かりし時を思い出し共感できる。そして、特別悪意に溢れる登場人物がいないせいか、全体に流れるその空気の透明感が心地いい。父の最上位のポジションをかけて神様と争っていた母は哀しい。でも、自分自身を思って泣く母と立派な息子の悲哀を想って泣く祖母を比べて父をうらやむ彼はもっと哀しいね。正しい人を見る時、欠点だらけの人間はやるせなくなる。わかるなぁ。(続く)
読了日:07月23日 著者:佐藤 多佳子
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)
いつもは殆ど小説しか読まない私。いつもはお話の世界に感情のまま浸っているけれど、この本は「「一緒になって目一杯考え脳を使っている私」に浸って快感を感じるわ。本当は学生の時に、考える喜びを見いだしたかったけど(笑)コミュニティーに義務を負うか!という議論が面白かった。ハーバードと東大の学生では、微妙に違うスタンスのような気がしたけど、それが文化の違いなら、やはり国が個人のアイデンティティを形成している面もあるということだなあ。
読了日:07月22日 著者:マイケル サンデル
RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (カドカワ銀のさじシリーズ)RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (カドカワ銀のさじシリーズ)
広がってきましたねぇ。姫神の持つスケールの大きさは想像以上でした。ただ、泉水子がそれについていけず、とりあえず目の前の問題にしか目を向けられていないのが、微笑ましいを通り越してちょっとイライラする。まずは自分を見て欲しいっていう女の子の気持ちは良〜くわかるのだけれどね。深行のしっかりとした男っぽさはいいですねぇ。泉水子をリードしていくその感じに、キュンキュンです(笑)
読了日:07月18日 著者:荻原 規子
RDG3  レッドデータガール  夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)
読了日:07月18日 著者:荻原 規子
きことわきことわ
不思議な透明感のある物語でした。葉山の別荘を引き払うことになって25年ぶりに再会する貴子と永遠。25年前の光景が現実の夢にからまり、また現実の風景が過去の記憶を呼び起こす。二人の身体は夢の記憶の中で絡み合い、永遠の娘や妹は、小学3年生という共通項でからげあう。夢が記憶に紛れ込み、行ったはずのない場所に自分の姿が現れる。何もかもがからげあい、もつれあっているという印象なのに、この透明感はなぜなのだろう。永遠の目にするものから浮かぶ25年前の光景が、いつしか自分の幼い頃の記憶をよび、懐かしいあの頃につながる。
読了日:07月13日 著者:朝吹 真理子
おしまいのデートおしまいのデート
すごくよかったなぁ。読後ほんわか。デートっていってもいろいろ。でもデートだから、自分だけじゃできないし相手あってのことだから、みんなこんなに優しいのかしら。『おしまいのデート』のおじいちゃんの言葉「また聞きの情報を信じて、ただ頷いてくらすのか?」深いです!地球が丸いとガリレオが言ったと聞くと「なんだ、また聞きか」と切って捨て、実際に地球の丸さを海と地平線で示す。おじいちゃん、かっこいいです!!続く
読了日:07月11日 著者:瀬尾 まいこ
あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12)あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12)
東野圭吾フリークなら必読かもしれないが、単に、東野圭吾の新作だぁ!と思って読んだ私は、あら、間違ったかなぁって感じ(苦笑)“あなただったかもしれない誰かの物語”・・ってタイトルをつけた出版社の勝ち。「あの頃」に書かれたってだけで、自分だったかもしれないと思わせる意図で書かれたわけではないので、期待した分肩すかしになる。これでこのタイトルつけていいのかなぁ。「東野圭吾のわけあり物件!」とか煽らなくてもいいのに。。実際たいしたわけでもないし(>_<)東野圭吾は、やっぱりもっとガッツリした長編が好きだな。
読了日:07月10日 著者:東野 圭吾
ストーリー・セラーストーリー・セラー
こんな風に言ってもらいたいと思う男性の言葉とこんな風に言いたい女性の言葉で紡がれた壮絶な夫婦の話。有川さんのお話は言葉に力がありますよね。どういう時どういう言葉をチョイスして口に出すか、言葉がその人のキャラを完璧に表していると思います。読んでいると「お前はどうなんだ?腹くくって一生懸命生きているか?」と、突きつけられているような気がしてちょっと痛い・・こんな旦那は完璧だけど、何もせずに無為に人生送っているような妻をとことん甘やかすことはしないよね。。甘やかされるに足る人生を送っているか?と反省しきりです。
読了日:07月07日 著者:有川 浩
僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)
面白い!ちょっと無理加減な設定も、人物の好感度で補ってあまりあるって感じ。こうだからこうなって・・という理論的な考え方、頭のキレ、グズグズのろのろしてなくて、基本なんでも器用にこなせて、ちょっと軽いけど涙もろくて、人間嫌いじゃなくて人を信じている。好みだぁ!加えて、いちいち仕草が決まっていて格好良く、経験値豊かな裏打ちがあって頭の回転が速くて物事に動じないナタネさんはパーフェクトに好みです。で、メイジのこの人間性から発生した何気ない言葉や行動が人を動かし、自分を守ってくれるチーム結成となる。いいですねぇ。
読了日:07月06日 著者:小路 幸也
アルバトロスは羽ばたかないアルバトロスは羽ばたかない
やられたやられた。(まあ、私は大抵の場合いいように騙されるのだけどね(^^ゞ)気流をあてにして、ただ身を投げるだけでは大空に舞うことはできない。のびのびと羽をひろげて飛ぶためには、格好悪いくらい必死で走り羽を動かさなくては!!その通りに必死で子ども達に向かい合う春菜。。。前作より更に引き込まれました。一気読みです!『希望というのは「そうだから」持つというものではなく、「にもかかわらず」持つもの』という海王さんの言葉に深くうなづきました。そういう強い希望を持って過ごしていきたいですね。
読了日:07月05日 著者:七河 迦南
終わらざる夏 下終わらざる夏 下
私はどんなエンドを期待していたのだろう。この明晰な男達が活躍するということは戦い続けることなのに。なにもかもがハッピーエンドになるわけないというのは既に歴史が証明しているのに。。。それでも!!あのラストは辛すぎる。たくさんの苦悩する男が出てくる。自分勝手に己の利を求めてではない。何を守らなくてはいけないのかを考え続けた男達だ。どうして人間同士が殺し合い罰を与えることができようか。勝ったからといって神ではない。「カムイ・ウン・クレ」神、われらを造りたもう。人間を造った自然そのものが神だと唱え続けたい。。。
読了日:07月02日 著者:浅田 次郎

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