原田マハ 「翼をください」

翼をください

翼をください」といえば、あの有名な合唱曲でしょ?
図書館でこの本を「新刊コーナー」で目にした時には、そんな気軽な気持ちで手にとったのだけど。。。


読みだしてみて、ビックリ!

世界で初めて世界一周したのが、「ニッポン号」だなんて、全く知らなかった!!!しかも、純国産飛行機で、毎日新聞社という民間人が乗っていたなんて。

物語は、その「ニッポン号」と世界一周に挑んだ米女性パイロットとの、史実と虚構がない交ぜになって繰り広げられている。



大戦前の一瞬をついた、ギリギリのところでの親睦飛行という名のもとで日本を誇示する飛行。


大戦直前だからこその、米軍の諜報行動。
ヨーロッパ各国からの日本への威嚇


大戦前、マイノリティー民族として世界各地で生活していた人達による「ニッポン号」への熱狂的な支持。


そして、「世界はひとつ」「空からは国境はない」のだと飛び続けたパイロットたち。


どれも熱い!!!


こんな熱い思いで、現在の日本人は生きているかなぁ
天皇陛下への奉納曲を若者の天皇離れを防ぐためにEXILEが歌い、EXILE目当ての若者は、天皇陛下の御言葉の前にどんどん帰宅。。。ってニュース読んだけど、かなり平和すぎるよねぇ。


ちょっと気になったこと。
この話は、史実と虚構が恋愛という潤滑油でいい感じにつながっているのだけど、実際に世界一周を成し遂げたパイロットの方やその親族の方は、その虚構の部分をどう感じるのだろうか。
埋もれていた史実が、さらに虚構で飾られて世に出るって。。。
私なら、イヤかも。