眠れるラプンツェル

眠れるラプンツェル (角川文庫)

子どもがいなくって、夫も毎日帰ってこなくって
毎日暇で、ず〜っと暇で・・・
そんな眠れない主婦が、ネコがきて・・・隣の息子がきて・・・隣の息子の父がきて・・・
そうやって生活が変わっていった末に、
今までの想いをおさえきれない衝動に突き動かされて
マンションという塔から、自ら降りて行くお話。。。


私には子どもがいるし。
ず〜っと暇なのに、何もしないでいられるという能力はないから
この汐美さんのようにはならないと思うけど。

でも、人ごとのようではなかった。


現実から逃避して
私はずっと彼をここで待っているのが役割なの!と
出ていかないのを「相手に待たせられている」という言葉にすりかえるのと

愛されていないのでは・・・という不安に目をつぶり
一生懸命、日々の予定を埋めるのとは
どこが違うのだろう?
それは、行動は真逆でも
「淋しい」の同意語。。。

汐美さんは本当にルフィオに恋をしていたのか?
淋しい心が、平衡を保つために疑似恋愛を生み出したのではないか?

人間はネコじゃない。
生きるためには、心が動かないと生きていけないから。


ラプンツェル
塔のカギをもっているのは自分自身だった。。。
でも、今まではさびしがり屋の子どもで出て行き方、歩き方を知らなかった。

自分で歩む
ルフィオも汐美さんも大人になったら
自然に道も見えてくる。



急に高校時代に付き合っていた人に
「勝手に悲劇のヒロインになっている!」って責められたこと思いだした。
その時、どういうことかよく分からなかったのだけど、
塔のカギを自分でもっているくせに
人に頼って、自分で歩まず、窓から見ているだけ!って言いたかったのかな。。。



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