終末のフール

終末のフール

「もし、明日で世界が終わるとしたら、どうする?」
よく学生の頃、そんな「もし」の話をしていたような気がするけど
これは、8年後に終末が来ると宣告を受け
さらに5年経って、あと3年になった時のお話。


学生の頃の「もし」の話での私の答えはいつも同じ。
『一番最初にみんなに見守られ悲しまれて死ぬ!』


でも、この伊坂ワールドでは
そんな甘ちゃんは一人も出てこない。
大体そんな甘ちゃんは、とうに暴動に殺られているって感じだよね。


家族が出来て、おばちゃんになって、私も変わったし。
私が見守る側だよね。
普段、脳天気と言われているが、こんな風になったら
夫より案外タフかな。。。そう、ありたいな。
<終末のフール>の夫婦のように。
そして、「私は簡単に許しませんよ」と口元で笑い、
夫はちょっとビビって私を見る。いいねぇ。
♪俺より先に死んではいけない〜byさだまさし「関白宣言」 
みたいな人だからねぇ夫は。


<太陽のシール>の夫婦のように
産むか産まないか?は悩まないと思うの。
産むに決まっているじゃん?と読みながらも思っていた。
3年しか生きられなくたって、その3年楽しく生きられるんだよ。
堕胎されたら、その子どもは楽しい想いもなくただ死んじゃうじゃない。
残された3年。会話が弾む親子でいられたら、それが一番幸せ。
映画「タイタニック」で、沈む船の中、人々の狂乱をよそに
ベッドに横たわり絵本を読み聞かせている親子のカットがあったの。
運命の日。そんな親子になれるかな。


もし、もっと力強く生きていけたとしたら
<深海のポール>の父のように櫓を組みたい。
そして、運命の日。死に物狂いで上へ上へと登りたい。
娘のために。


<鋼鉄のウール>の苗場さんは格好良すぎるよねぇ。
『おい俺、俺は、こんな俺を許すのか?』
・・・決して茶化している訳ではないのだけど
・・・こんな風に使う言葉ではないのだろうけど
ダイエット中、食べたい気持ちを抑えきれなくて
お菓子に手を出す私に言いたい。
「ねぇ私、私は、こんな私を許すの?」って。


娘は、まず、高校辞めるね。
そして、憧れの東京に出ていっちゃうかなぁ。
でも、もう渋谷とか、娘の好きな東京は機能していないだろうし
案外、怖がりだしなぁ。どうかなぁ。


この本、読むと自分の生き方とか、
人の本当のところはどうなんだろうとか
結構、本質ついてみたくなりますねぇ。


読書によってそこまで考えさせられる本!やっぱり伊坂ワールドは
すごい!と思った次第です。



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