ヴァン・ショーをあなたに

ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)

タルト・タタンの続編。姉妹本かな?
シェフのフランス修行時代の話とかもあるし、別な人の視線で描かれていたりしている話もある。。。


でも、私は、以前の「パ・マル」のお店の中での出来事を、語ってくれるお話のスタイルのほうがずっと好き。
ちょっぴりお洒落で、最後にほっこり幸せになれるような笑顔が浮かぶ話が好きだった。


だから、全く別な人の視線で描かれた<氷姫>や<天空の泉>は、確かにシェフも登場して、何らかの解決をしているのだけど、なんだかなぁ。。。と思う。
シェフの料理を口に運んで心がほぐれるって展開じゃないしね。
料理の知識・観察力をもって解説されるだけじゃ、ほっこりな笑顔は浮かばない。


やっぱり表題にもなっている<ヴァン・ショーをあなたに>のような
話にわたしは惹かれる。
「パ・マル」が舞台じゃないけど、手をかけたヴァン・ショーが
私に向かっても差し出されてくる(*^_^*)
ここに出ている「マルシェ・ド・ノエル」(クリスマスマーケット)は
私の地元、札幌大通で12月に行われる「クリスマス市」を思い出す。
(確か、札幌のはミュンヘンのをベースにしていたかもしれないけど)
そこにも「ホットワイン」の屋台が出ていて、いつも、飲んでみたい!と思うのだけど、何年も機会を逃している。
ガラスのクリスマスツリーとそりに乗ったサンタさんはGETしたのだけど。
今年こそ、ぜひ、飲んでみたいな(^_-)-☆


驚き!驚き!なのは<憂さばらしのビストゥ>
三舟シェフも
前述「終末のフール」の苗場さんと同じだった!
『おい俺、俺は、こんな俺を許すのか』
またまたこのフレーズが浮かんだ!
豚の背脂をつかったビストゥの材料を、ベジタリアンの女性にわざと知らせずごまかしたことに対する、三舟シェフの怒りと「苗場さん」がダブる。
『それが料理人のプライドなんじゃないか。それを自分で踏みにじってそれで気分がいいのか。自分で汚して、それで笑えるのか』
このシェフの言葉自体は、目新しいものではないかもしれない。
でも、こういう、自分に対する戒め、プライドを端的に表すものとして
本当に、苗場さんのセリフは、無駄な言葉がそぎ落とされていて
私の、今年初めのヒット。座右の銘だわ〜
・・・って、終末のフールの話になっちゃった(笑)



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