2010  9月に読んだ本

今年読んだ本の累計 128冊


9月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4418ページ

エデンエデン
サクリファイス」で初めて知った自転車競技。やっぱりすごいなぁ。この駆け引き。個人での栄光とアシストするという働きとを両方視野に入れた上での判断する機敏。このスポーツが支持されているヨーロッパって、やはり精神的に成熟しているような気がします。この勝負の行方に目を離せず、昨夜一気に読み切ってしまいました。こんなに魅了される競技ですが、こういう心の葛藤は、私のような未熟者ではまだまだ沿道で応援しただけではわからないでしょうねぇ。本の力、近藤史江さんの筆の力に感謝です。そしてもっと知りたい!続編を切望します。
読了日:09月26日 著者:近藤 史恵
阪急電車阪急電車
楽しかった♪阪急電車沿線の方々が羨ましい。もっともっとイメージ膨らむでしょうねぇ。えっちゃんのおバカな彼との会話はさすが関西!読みながらも吹いちゃったし。飼い犬は自分と夫の犬だと譲らない時江さんも大好き。凛として背筋まっすぐにして香水プンプンおばちゃん達に立ち向かったんだろうなぁ。私も通勤で電車に乗って学生さんたちの話に思わず耳を傾けてしまうこと多々あります。彼らの生活を思い浮かべたり時には自分の学生時代に想いを馳せたり。言い古された言葉ですが本当に電車はたくさんのドラマを載せている。こんな素敵な世界を。
読了日:09月26日 著者:有川 浩
わくらば追慕抄わくらば追慕抄
セピア色の世界が紡ぎだされているという感があった「わくらば日記」とは色合いが変わってきましたね。姉さまもなんだか芯が通って強くなった感じ。死なせてしまった我が子を想い、自らを責めている寿子さんを考えると身悶えするほど胸が苦しくなる。どうぞ、お母さんを許してくれていますように。神楽さん兄弟のお互いを思い合ってそれぞれがワッコちゃん達姉妹に語った会話は胸が暖かくなり、今後の神楽さん(百合丸さん)の姉さまへの態度が楽しみ。父さまもまだ謎だし、「吹雪」の存在は黒ですよね。これからも追いかけていきたいシリーズです。
読了日:09月25日 著者:朱川 湊人
わくらば日記わくらば日記
このやわらかな口調と優しい茜色のイメージ。人々は真っすぐで、姉さまの力はとても不思議なのだけど、でも読後はとても穏やかな心持ちにさせてくれる作品でした。この背筋がピッと伸びているであろう母さまは幼い時大好きだった「若草物語」のお母様を連想しました。この病弱な姉さまはベスでワッコちゃんはジョーでしょうか。どちらも時代の流れがビュンビュンしていない、穏やかな流れの中で、拝金主義でなく、「きちんとした」たたずまいを大切にしている感じが似ています。だからこそ読後感が温かい気持ちになれるのですね。
読了日:09月21日 著者:朱川 湊人
クジラの彼クジラの彼
女の子がして欲しい言動が満載!というか、私的には、美化された若い頃を胸キュンで思い出させてくれる青春物語。しかも「海の底」「空の中」の番外編とくればファンにはヨダレものですね。言葉の選びがその人を現して魅力になっているという表現が多いような気がします。どんなに外見のオシャレに気をつけても言葉で一発ボロが出るってことあるものねーわが身を振り返って気をつけよう!なんてことも考えちゃいました(笑)
読了日:09月19日 著者:有川 浩
氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
「灰色」で現在高校生活を送っている娘は、この「高校生活と言えば薔薇色」と書かれている本書を読んだら落ち着かないだろうなぁと思いながら読み続けていたら・・・最後の謎解きで一瞬息が止まった。ちょっと切ないですね。「クドリャフカの順番を」先に読んでしまっているので、カンヤ祭へ熱い思いが受け継がれているのにホッとします。この事件によって学生が委縮していたら「叫び」が余計切なくなります。このコメントだとすごく重い本に感じてしまいますが、そんなことは全くなく、楽しくサクサク読みました。古典部シリーズこれからも楽しみ。
読了日:09月18日 著者:米澤 穂信
ステップファザー・ステップステップファザー・ステップ
今まで宮部みゆきさんの時代物小説が好きで、この本は読友さんのコメントで知りました。さらっと楽しかった。あの双子が泥棒を「お父さん」と慕うのは何か意味があるのでは・・・?と深読みしたけどハズレ(笑)素直に疑似親子ながら愛が生まれていくと読んでいいのね。明るくほのぼのと読めて元気になれる本でした。
読了日:09月18日 著者:宮部 みゆき
ファミリーツリーファミリーツリー
うーん。素敵な話なんだけど、ホントの心の中にしみてこないような気がするのは私がひねくれているからでしょうか?「空の国に旅立つリリー」や「毒舌家リリー」をもっと深く知りたかったな。いつのまにか、ただのしっかり者のリリーになっていて、ただの心地よい小説になっていた・・
読了日:09月13日 著者:小川糸
甘苦上海<完結版>甘苦上海<完結版>
上海バンスキングの舞台をDVDで観たばかりの時、新聞書評でこの作品を見て読んでみた。上海のエネルギッシュさ、日本の閉鎖的な感覚とは違う独特な雰囲気を背景として想像していないと、上手く話の中に入りこむことが出来ない・・・しかも自分と同世代の女の生々しい恋と欲望。等身大の自分だとはとても言いきれない。お話の中の出来事感が強い。それでも、「女にお金はかけない主義」とうそぶいている京さんは所詮甘ちゃんで、2番手の松本の方がずっとしたたかな男。この大人の松本をキープして若い男にのめり込むのは中年女にとって幸せかも。
読了日:09月10日 著者:高樹 のぶ子
この国。 (ミステリー・リーグ)この国。 (ミステリー・リーグ)
初石持作品でした。番匠のような男、すごく惹かれるのでぐいぐい一気読みでした。読みながら「この国って良い感じじゃない?」と思い、でも「何か、心がざらっとくる違和感がある。。。」と引っかかりながら読みました。『この国のどこが不満だ?』あ〜、この問いを私たちに投げかける為の作品だったのか。現実の日本と近いようでちがう「この国。」日本はこのままでいいのか、この国。のようになっていいのか?どんな国が理想だ?深い政治論はわからないけれど、ちょっとたちどまって「この国って・・・」って考えたりした。
読了日:09月09日 著者:石持 浅海
三匹のおっさん三匹のおっさん
楽しい!現代版時代劇という通り勧善懲悪の痛快小説。キヨさんみたいなしっかりした大人がきちんと子どもを叱るっていうのは読んでいて小気味いいし。私はきちんと娘を怒れているのだろうかと自己反省したりして。祐希くんは登場のホント最初だけチャラ男でしたが、さすがキヨさんの孫でかっこいい。今どきのチャラ男がみんなこうだったら、日本の未来は明るいのに(笑)
読了日:09月05日 著者:有川 浩
レインツリーの国レインツリーの国
どこまで我がままをきいてくれるのか甘えてみる。自分はこんなに辛いのだから、もっと私に気をつかってよ!  若い頃、こんな状態だった時「一人で悲劇のヒロインしてるなよ」と言われたこと思いだしました。ただ突き放された感があって辛かったな。逆に、わかった風にお座なりに「気にするなよ」なんて優しく言われても関係は繋がっていかない。本気で喧嘩して、ぶつかって、でも、切なくて、どんな付き合い方がいいのかグチャグチャわからなくなって面倒くせーってなっても繋がっていたい。そんなひたむきな気持ちが胸に響いてきました。
読了日:09月04日 著者:有川 浩
植物図鑑植物図鑑
あ、あ、甘すぎるっっっ。有川ワールドなんだし、すっごく好きなんだけど。そうなんだけど、知っているんだけど。でも、今回は甘過ぎない?イツキが不在になって、独りで順に狩りをたどっていくあたり、切ないよね〜純だよねぇ〜白状すると、れっきとしたオバサンの私もキュンキュンして一気読み。でも、読後は「甘すぎじゃね?」って感想だけが残っちゃった。好きです。好きなんだけど微妙です。
読了日:09月04日 著者:有川 浩
木練柿(こねりがき)木練柿(こねりがき)
今回は短編集。遠野屋が纏っている空気が今までよりずっと普通の商人になっている気がして、なんだか物足りない。いや、もちろん、遠野屋はそれを目指しているのだけれどね。もっと、完璧な商人の姿の中にも「何者だ?」という深みがあった遠野屋の方が魅力があって惹かれたのに。信次郎のゆがんだ感じは相変わらず。こちらはもうちょっと信次郎のバックボーンを描いて欲しい。。。というホントに勝手な読者です。
読了日:09月02日 著者:あさの あつこ
はむ・はたるはむ・はたる
自分が任されている役があって、帰れる居場所があって、何より自分を信じてくれている人がいれば、限りない力を発揮できる!勝平を筆頭に大人にもきちんと対等の形で助けてもらうところはきちんと助力を乞って、自らの足で立っている。その様が読んでいて気持ちいい。子どもを侮ってはいけない。甘やかしてもいけない。この本を読むと、現代の子どもたちって危機感を覚えるほど幼いような気がする。
読了日:09月01日 著者:西條 奈加

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