2011. 1月

1月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6586ページ

神去なあなあ日常神去なあなあ日常
人って・・・思考が内に内に入って自我についてひたすら考えるのも有りだし、とにかく身体動かして身体が考える!みたいな生活も有り。辻村深月さんのように魂えぐる感じで心を赤裸々に暴かれた!みたいな衝撃を覚える本もあれば、こんな三浦しをんさんのように柔らかな語りで心が浄化されて人間の根っこの部分を考えるような本もある。「なあなあ」良いですね。ただゆったりした世界感だということでもない。妙にサックリ切り捨てちゃう容赦ないところもある。そして、犬の自信を取り戻す為だけに大真面目で芝居をうつ。人間って素敵だ。
読了日:01月31日 著者:三浦 しをん
日本人の知らない日本語2日本人の知らない日本語2
日本語なのに、ポルトガル人がつくった半濁音゜゜゜知らなかったわ。確かに「みどりいろい」って言わないしね。無邪気に聞いてくる外国人の方に対して、きちんと日本語を説明できる自信はやっぱり私にはありません(涙) <太陽は「赤」で描き表さない>とか<焼き餃子は残り物処理>とか・・・日本と外国との違いについても、あらためて「へぇ〜!」って感じです。フィンランドの方の名前「ミンナ・アホ」がかなりツボでした(笑)
読了日:01月31日 著者:蛇蔵,海野凪子
天地明察天地明察
胸の内に暖かな風が吹いて、読了後はとても穏やかな心持ちになりました。この穏やかな充足感は春海の真っ直ぐな心映えの故でしょうか。御城碁への「飽き」を秘めて「春海」と名づけたり、自らの誤問に噴飯して腹を切ろうとしたり、何より最後の詰め、相手の道筋を切って攻める様子は、激しく逞しい強さを現しているのに、反面、道端に座りこみ、えんに叱られ、刀の重さによろめいている様子は、思わず微笑んでしまうコミカルとも言える幼さ。この2つを合わせ持っていることこそ、春海の魅力であり、皆が春海を愛し力を貸した原動力なのでしょうね。
読了日:01月31日 著者:冲方 丁
獣の奏者 (4)完結編獣の奏者 (4)完結編
一つ一つの灯が繋がって世界は出来ている。想いを、そして経験を伝えていかなければならないのだ。という思いを強くしました。たとえば原爆・戦争・虐待・理不尽な出来事。人間とはこんな狂気をまとう瞬間があったのだということ。どんな状況になったらこんな情勢になるのかということ。その時の空気感。様々なことを体験者が語っていかなくてはならない。そんなことを思いながら読み終えました。
読了日:01月27日 著者:上橋 菜穂子
獣の奏者 (3)探求編獣の奏者 (3)探求編
「知りたい」という欲求こそ人を成長させ向上させる。エリンの深慮も全てこの「はるか昔に何が起こったのか。何が隠され何が伝わることが出来なかったのか」という真相を明らかにしたい!という熱意から。かつて、エリンが、カザルムの入学試験で「生物の理を知りたい」と書いた言葉もここに繋がってくる。Ⅲではエリンに家族が!ジョウンおじさんにさえ、失った時が怖くて敬語を崩せなかったエリンが全てを託せる愛する家族。愛するがゆえに弱みともなろうが今後は逆にパワーとなってエリンを支えると信じたい。イアルが闘蛇乗りを志願したように‥
読了日:01月25日 著者:上橋 菜穂子
獣の奏者 II 王獣編獣の奏者 II 王獣編
獣と人はやはり通じ合うことは出来ないのか。王獣を戦う道具にしたくないと思うことは自己満足に過ぎないのか‥ついに音無し笛を使ってしまったエリン。もうこれでお終いと思ったところにリランが‥!お互いが互いを知る為に探っていたのだ。初めからは分かり合えないし、間違いもある。それでも、知りたくて奏で続け、リランもその心を感じたからこそ、自らエリンを包んで飛び立ったのだろう。単純に、「世話をして仲良くなりました」というのではない深さが、このお話を魅力あるものに高めている。
読了日:01月24日 著者:上橋 菜穂子
獣の奏者 I 闘蛇編獣の奏者 I 闘蛇編
賢いエリンが、素朴な疑問からどんどん知識を吸収し育っていく様に目が離せられない。母・ジョウンそして王獣と世界が広がって今後どんな世界が繰り広げられるか・・・やはり児童書は侮ってはいけない。またもや読メを知らなかったら出会うことのなかった傑作が、今ここに!さあ、どんどん読みますよ〜(*^^)v
読了日:01月23日 著者:上橋 菜穂子
天国旅行天国旅行
「心中・死」をテーマに綴られた短編集。一番心に染みたのは『遺言』死をちらつかせ愛を試す妻をウンザリだと言いながらも愛に溢れ、最後の言葉を捧げられたら、もう女冥利につきますよね。老熟された胸キュンです(*^_^*)そして女側から愛を示しているのが『初盆の客』こんな風に死で愛を示し、また残された家族が真っ直ぐに受け止めているのが、不思議な話なのに胸がほっこりして好きです^^
読了日:01月22日 著者:三浦 しをん
写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
写楽の正体とは?そもそも写楽の謎とは、正体が解らないということより何故同時代の人々が口をつぐんでいるのか!ということ。江戸時代の人々は写楽とは誰かを本当に知っていたのか?!ということを基に展開される推理は、大胆でまさに目から鱗で読んでいて楽しかった。ただ・・・その推理を展開する役の男が「俺はもうダメだ。不幸だ。立ち直れない。」と二言目には「死」を口にし倒れる。そういうストーリー展開なのだが、読んでいてイライラ。しゃっきりせいと背中を叩きたくなる。(コメントに続く)→
読了日:01月20日 著者:島田 荘司
おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)おやすみラフマニノフ (『このミス』大賞シリーズ)
前作に比べ岬さんの魅力があまり感じられず残念。ちょっと最後の方もわかっちゃったし・・(私は大抵作者の意図通り騙されます。その私によまれちゃぁダメだよ〜)晶くんがバイトの親父さんに見こまれたり、オケ仲間に認められたりが、なんだか唐突な感じで。。。あ、そんな出来る子って設定だったの?って感じ。嵐の中、体育館での演奏シーンは好きなんだけど、その後にも何度も演奏の描写が続くと「また?」って気がしてしまって、ななめ読みしてしまいそうになった。なんだろう。読みやすくて一気に読んだのに、ちょっと感動は薄いかも・・
読了日:01月14日 著者:中山 七里
絶叫委員会絶叫委員会
作者が日常から掬いあげた「天使的な言葉たち」に笑ったり、逆に怖くなったり。穂村さんのアンテナに引っかかると、偶然生まれた言葉が結果的にポエムとなってスポットライトを当てられている。「みなにゃー」「バーベキューってやる」「猛犬にっこり」「こんばんは、やどかりなんですけど」・・・かなり好き!だけどだけど『幻の地雷』は私、踏んでいるかも。ひらがなの中のカタカナ使い。〈がんばってネ〉やっちゃうナ〜(笑)「昭和の短縮形」は好んで使っていそう。怖いですねぇ。まだ大丈夫なうちに私も大好きな「チョコ」たくさん使おう!!
読了日:01月14日 著者:穂村 弘
オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴンオール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン
今回は研人くんが大活躍でしたね。もともと利発な子だという感じだったけど、この密かで大胆な行動力は我南人ゆずりかな。この我南人が自由に行動できるのも、勘一が、我南人自身を認めた上で大らかに全てを許容しているからですよね。「あいつはあれで下手うつことはないから」と信じ、「好きにさせるしかないだろう」と受け入れる。子育ての鏡だ。やはり私の一番のお気に入りは勘一です(*^_^*)お誕生祝い・クリスマス・卒業式様々な行事の度毎に大勢が集まる賑やかさは、私も娘も一人っ子で少人数家族の者としては羨ましいかぎりです。
読了日:01月12日 著者:小路 幸也
オルゴォルオルゴォル
親が子どもに伝えるべきことがてんこ盛り!娘が、あまりに常識的なことも知らなくて眉ひそめてたけど、学校任せで親の口から何も語っていないなら文句言えないのね。耳が痛いです‥きちんと伝えたいなら、ちゃんと考えさす状況を作らなきゃダメ!サエさんがヒロシマを一人で見させたように。集団だと、ただ騒いで終わりになる。っていうのもすごく実感する。「真面目はダサイ。友とは空気読んで軽く楽しく。」そんな上辺のつきあいは、濃くて心に響く会話の前ではきっと色褪せる。そんな会話の為には、もっと自分を磨かねば!と強く思った一冊です。
読了日:01月10日 著者:朱川 湊人
平成大家族平成大家族
すごく元気をもらった本です!サトルの為に1日あれこれ考えて何も手につかない逸子の姿は、自分に重なり、しかもその杞憂は子どもの実態とはズレているっていうあたりも笑ってしまいます。春子が友人に愚痴ろうとするのに、貴女は幸せだと言われ‥あー我が家の悩み事も他から見ると、こんな感じなのかな。そうならいいな。優しい元教授にあんなメールもらったら心臓バクバクになっちゃうわ☆
読了日:01月09日 著者:中島 京子
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)
この題名なに?と読み続けて最後、ため息と共に納得する。そうだよね。母ならそうする。チエちゃんのお母さんだけじゃない。あのね、みずほちゃん。みずほちゃんのお母さんもゼロハチゼロナナ教えてくれるよ。あんな風になったらね。「母」の立場で読むと辛い。私も娘にいろんなこと強いてきたかも。娘目線で読むともっと辛い。女友達関係の立ち位置がリアルで生々しいから。みずほちゃん自爆しない結婚になって良かったね。啓太さんが大人で良かった。みんなそのままの自分を受けとめてくれる人に巡り会いたいのに、いろんな駆け引きしちゃうんだね
読了日:01月09日 著者:辻村 深月
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
小松原様の母上が登場!以下、ネタバレ。母親が調べたという「息子が気にかけている娘」は自分のことだった!これってすごくないですか?身分違いで諦めるって気持ちの前に、自分のことを気に留めてくれているって知ったら、私だったら天に昇る夢ごこちになると思うのに。「諦める健気な澪」だけだと、気持ちがストンと落ちず気持ち悪い‥それに、戯作の為に探っていることを知ったら又次さんが激怒することを知っていてなお、店の部屋の使用を認めるってのも、今まで人情を描いてきたのに、とても異質で、読んでいてなんだかしっくりきません。続く
読了日:01月07日 著者:高田 郁
背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)
すごく楽しかった☆営業の目を通して書店の悩みや作家さんのナイーブさ、そして書店員さんの心意気が描かれて、本をとりまく全てへの愛情が伝わってきました。どんな本を置いているかはどんな想いを持っているかに繋がって、正に背表紙が歌うのですね。平台に積まれる新刊に溺れるという実態には胸が痛いです。最後の「成風堂書店」には、おっ出た出た!って感じでニッコリ。楽しいリンクでした^^
読了日:01月03日 著者:大崎 梢
マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)
とても不謹慎な言い方かもしれないけど、何だかとても格好いいです!勘一さん☆サチさんと勘一さんの馴れ初めはこんなにもハードでドラマチックなものだったのですねー愛に溢れて賑やかに一致団結して事に向かうのは、混沌としたこの時代から始まったことだった。世界には満足な衣食住が与えられない人が沢山いる。その不平等を悩むより、幸せを噛みしめて何が出来るか、何も出来ないまでもどう生きるべきか‥この草平さんの前向きな生き方がこの本の底に流れる明るさであり、強さなのでしょうね。コメントへ続く
読了日:01月03日 著者:小路 幸也
和菓子のアン和菓子のアン
今年の初読みは「和菓子のアン」V(^O^)立花さんだけじゃなく私も幸せにしてもらいましたo(^o^)o和菓子のネーミングってホント素敵ですね☆七夕の前後のお菓子なんて、とてもロマンチック。和菓子が泣くっていう専門用語の満載の師匠の話も好きでした。アンちゃんが楽しく働いているのが、ビンビン伝わってきてニコニコ顔で1年の始まりです☆
読了日:01月01日 著者:坂木 司

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