2011 3月に読んだ本

今年読んだ本  累計 55冊

3月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5744ページ

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)ミミズクと夜の王 (電撃文庫)
読友さんのおススメで初めて手にとった作家さんの本。アンディやオリエッタの包みこむ愛は、紡ぐ言葉と涙を拭うすべを教える。ミミズクのひたすらに寄り添う愛は許しを与え、ディアの自らの得を省みず相手の求めに応える愛は己を強くする。己よりも国を選ぶと言いきる力強い国王のディアへの愛は、武骨で鍛える愛。クロちゃんの教え導く愛はミミズクに勇気を与え、そしてそして夜の王フクロウは・・・(ネタバレっぽいので以下はコメント欄へ)あたたかい涙が何度も何度も流れます。素敵な本でした。
読了日:03月31日 著者:紅玉 いづき
邂逅の森 (文春文庫)邂逅の森 (文春文庫)
男らしさムンムンのマタギにやられました。カッコイイです。筋肉でがっしりとした太い二の腕が目に浮かびます。自分の腕と知恵で獣と向かい合うマタギ。一度は「森」から離れた冨冶も、その魅力に、引き寄せられ再び「森」と出会い、命をかけて、妻の元に帰ってくる。。。女冥利ですよね。飾ったり小手先の駆け引きが効かない自然や獣が相手だからこそ、シンプルに、愛するものにもう一度逢う為だけに力をふり絞ることが出来るのですね。「森」には再び出会ったが、再会した「女」でなくて、今を支えてくれていた「妻」を選んでくれて、ホッとした。
読了日:03月29日 著者:熊谷 達也
完全なる首長竜の日完全なる首長竜の日
自分の意識が作りだした架空のゾンビ(外面だけで内面を持たないモノ)と現実の人格を持った他者とをどう区別するのか。だいいち、今、自分が感じているこの世界が、現実のものだと、何を持って確信するのか。もしかしたら、こんな風に考えている「私」だって誰かの夢の中で作られた存在で、この世界そのものがもっと大きなモノの夢なのかもしれない‥そうじゃない!と、私は自我を確立した「私自身」 だ!とどうやったら言い切れるというのか‥‥と、こんな堂々巡りは、気持ちが強い時には興味ないし、弱っている時は辛すぎる‥
読了日:03月28日 著者:乾 緑郎
月と蟹月と蟹
子ども達の世界は意外に残酷。子どもだからって未来の希望だけを見つめてキラキラしているだけな訳はない!この本はより現実の世界を表しているのかもしれない。実際こんな風に陰にこもった遊びをしていたような気もする。ただあまりに救いがなくて読んだ後が哀しすぎる‥昭三が元気で、慎一とじゃれあいながらTVを見る!そんななんでもない日常すら奪われ、そして春也の屈折した友情。ずーっと息を詰めて読んでいたような気がする。辛いな…
読了日:03月25日 著者:道尾 秀介
光媒の花光媒の花
「隠れ鬼」に始まって、どんな混沌とした世界に連れて行かれるのか!!と恐々として読み進むと‥夢は大きいほど真っ直ぐに飛べる‥逆さまにした袋に幸せな思い出を閉じ込める生き方‥音を声を受け入れない哀しい強さ。そして、虫を誘い込んで企んで思い通りに動かすたくましさ。この世界は光ったり翳ったりしながら動いている。高い場所から見るとすべてが繋がり合い、わからないからこそ、白く眩しく光が広がる。その光に導かれて花が咲く。。いい本を読んだ。
読了日:03月23日 著者:道尾 秀介
声出していこう声出していこう
私以外の私にはなれないのだけど、その私は「皆が思うのとは違うんだ」と密かに思う気持ち、ちょっと共感!自ら望むキャラ作りの為「アイスのふたを舐めない」マサノリや「ゼペットじいさん目指し低い声で話す」泰介はご愛嬌。モテセンサー誤作動だらけの幹基が、一番イタい!勘違い野郎クンは何も自分で実現していないのに、同類の勘違いサンを探しだし、嘘と本当の境目がわからなくなって‥いや、これは怖いわ。私はこれからきっと「カワイイ母」のキャラを続けていくから、さばさばした娘と、仲良くやっていきたいな。やっぱりそれもウザいかな。
読了日:03月23日 著者:朝倉 かすみ
シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)
やっぱり一気読み!司さん、ついていきます!!自分の能力に自信あって傲慢なタイプがもろ好みだし(やばい!完全にMだ)しかも、自分自身のその脆さを知っている大人の言動がカッコイイし。ダメだしも理屈でバッサバサなぎたおしてもキレ味いいから傷口がぐちゃぐちゃにならずに、みんなついてくるし!いつもはどこまでも上から目線なのに、家族の中で自分だけが「演劇」を知らないという疎外感に、ひとり頼りなく立ちつくしちゃう姿を無防備に千歳に見せちゃったりして、これまた素直に「ありがとう」なんて口にする。惚れない訳ないじゃん!
読了日:03月20日 著者:有川 浩
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
面白かったなぁ。狐と狼がそれぞれに普通の高校生達と交わって青春!小鳩くんは何だか可笑しいと思っていたら、そうか人間失格だったのか‥(苦笑)そりゃ、高校生loveの基準からいうと、小鳩くんの反応はNGだわ。以下はネタばれなのでコメントへ
読了日:03月19日 著者:米澤 穂信
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
前作の「春期‥」も思ったのだけど、なーんだかコミカルに感じるのは、小鳩くんが、頭脳派なのに微妙に抜けているからかしら(*_*)小市民振りを発揮しているつもりでも、ちょっと推理をひけらかす感じが、ツメの甘さを露呈しているし、しかもラストに彼女がまさか‥!一方、小佐内さんはやっぱり不気味!『春期‥』の感想欄に書いた私好みの甘い展開には、やはりならないのかねえ(x_x;)
読了日:03月19日 著者:米澤 穂信
夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
「春期」では、普通にちょっと小生意気な子が日常の謎を解いているって様子だったのに、この「夏期」では俄然、空気が変わってきた。だって結局「小市民偽装」全然してないよ!小佐内さんは、始めから壮大な計画練っているし、小鳩くんもねぇ、小市民は女の子からそんな風にケーキ搾取しないよぉ。お互いがいるからこそ、小市民たることが出来ない。。。んじゃなくて、小市民でいるためだけに一緒に居るのではない!って思いたくなったんじゃないかなぁ。これって、無理やり甘い要素を注ぎこみたいという私の希望的観測かしら?さて秋はどんな感じ?
読了日:03月17日 著者:米澤 穂信
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
これが噂に聞いていた小市民シリーズ(*^_^*)楽しかった♪小佐内さんってどんな過去なんだろう!とか、この2人の関係って結局どうよ!とか、気になるムズムズ感満載(*_*)本来のものを隠して、自分に役割を課すって言うと、坂木司さんの「夜の光」のスパイ任務を思い浮かべてしまうのだけど、シリアスな追いつめられた感は「小市民」ではないので、なーんだかコミカルタッチな感じが楽しい。小鳩クンの賢しらな、自分をひけらかす感じの幼い若さに比べて、小佐内さんの「目には目を!」は迫力あって「食えない」ですね〜
読了日:03月16日 著者:米澤 穂信
チームチーム
山城の豹変ぶりが、いきなりすぎてストンと納得出来ないのは、私がアスリートでないから?スポーツを極めている人には理解できるのでしょうか?でも、各々が走りながら考えていること、目にしていることがドンドン伝わってきて、あのお正月の箱根を、もう一度目にすることが出来たような感じで、駅伝を楽しむことができました。以前TVで、予選会の様子、特に落ちてしまった大学の選手達を見たことがあります。あの戦いの後、学連選抜として走るモチベーションを上げるまでには、確かに一つの物語がありますよね。一気に読み終えました(^^)v
読了日:03月15日 著者:堂場 瞬一
ちょんまげぷりん 2 (小学館文庫)ちょんまげぷりん 2 (小学館文庫)
安兵衛が21世紀に現れていた時、何故あそこまで仕事にのめり込んだのかが明らかに! 自分の存在意義って大切。そして、やるべきことがあるって人を強くさせますね。ただなんとなく流されるようにでも生きて行ける、恵まれすぎている子ども達は逆に、一生懸命になれなくて不幸なのかも。目指すものを見つけさせてあげたいですねー
読了日:03月13日 著者:荒木 源
ちょんまげぷりん (小学館文庫)ちょんまげぷりん (小学館文庫)
子どもには、凛とした態度で臨むべきである。しかしながら、厳として戒めるには体力も忍耐も必要であり、仕事に時間に追われ疲れ果て精神に余裕がなくなると、諦めるか怒鳴りつけるかで終着とした方が簡単なのである。これにいたり、子どもが納得するまで教え諭すという会話もなくなり、子どもには生活に対する満足感が減り、反抗が増すという悪循環に陥る。これを断ち切った安兵衛に母子が惹かれるのは当たり前ですね。娘が幼かった頃を思い出しながら読んで楽しかったです♪
読了日:03月13日 著者:荒木 源
おとぎのかけら 新釈西洋童話集おとぎのかけら 新釈西洋童話集
かなりの「黒」は読んだ後味が辛くて苦手。もともと《マッチ売りの少女》《ハーメルンの笛吹き男》は苦手な話だったが、この本で形が変わってもやっぱり(>_<)逆に《白雪姫》はディズニーの曲と共に明るい色彩が浮かぶ話だったのに、こんなに、したたかな女の話だったのか‥とちょっと笑えた。『鵺の森』の強さに惹かれる。禍々しさやいびつさも極めれば人を惹きつける。堂々としていられるなら、畏れられても一人でいい。こんな風に開かれた世界は、「黒」くても綺麗だ!
読了日:03月13日 著者:千早 茜
ゆんでめてゆんでめて
やっぱり好きだな若だんな^^「誰だって、真剣に気に掛けて貰うってぇのは嬉しいんだ。そいつは力になるのさ」にいきなりツボって涙です。そう、具体的に利益を運んでもらったわけじゃなくても、自分は愛されているって思えることって、何にもまして幸せになれる力をもっていますよね。若だんなは、これでもか!と身体が弱くって生活する上で役立っていることは無さそうだけど、本当に離れの妖のことを大事に思っているっていう優しさは身体中から滲み出ているものね。だから、みんな安心して我儘言ってお菓子を奪い合ったりできるのよね(^^)v
読了日:03月08日 著者:畠中 恵
七人の敵がいる七人の敵がいる
痛快痛快!笑える〜(爆)この面白さは、あの役員決めの教室の場にいない男性諸氏にはわからないかもしれませんね〜仲良しの人でまとまって、ちゃっちゃと役員決めましょ!って、「いっせいのーで」と1クラス5人の役員一度に手を挙げたこともあります(笑) 結局、やらない人はず〜っと引き受けないし、役員になっちゃう人ってなんとなく決まってくる。。。この話、語りだしたら長いぞ〜(笑)とにかく面白かった☆
読了日:03月06日 著者:加納 朋子
芥子の花 (金春屋ゴメス)芥子の花 (金春屋ゴメス)
だんだん各々のキャラが定着してきて、いきいき活躍しだしましたね!前作より好きですね〜ゴメスの破壊度も納得だし(笑)ゴメスに負けずに辰次郎も活躍していて安心しました。辰次郎の一本!やったね(^^)v
読了日:03月06日 著者:西條 奈加
金春屋ゴメス金春屋ゴメス
時代物だけどそうじゃない!不思議な設定に目が点(@_@;)でも、意外にすんなり受け入れることが出来て、すいすい読み進みました。頭が良くて、圧倒的な力を持った親分が実は・・・!?設定の面白さで、グイッとつかまれたので、続編もこのまま読み進みまーす(^^)v
読了日:03月04日 著者:西條 奈加
ふたつめの月ふたつめの月
心の拠り所になってくれる人、家族だからこそ言えないようなことを聞いてくれる人がいるって、いいなぁ。ましてや、赤坂さんのような、ズバリのアドバイスくれる人ならなおさら素敵。でもね、今回のクリちゃんのリストラというか退職は、理不尽すぎる!理由はわかっても受け入れ難い。どうしてクリちゃんが辞めさせられたままなの?復帰させないわけ?そんな自分のエゴのために、他人を辞めさせるって有り?!って感情が読み続けていても、心の中ぐるぐるまわって集中できない・・・その分、読後感は前作の方が、ほんわりとしていて好きだな。
読了日:03月02日 著者:近藤 史恵

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