2011 5月に読んだ本

今年読んだ本の累計 87冊


5月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4632ページ

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
始めはちょっと入り込めなくて、こんなに分厚い本なのにどうしよう・・と思いましたが、コゲパンちゃんが怒涛の勢いで足立氏をやりこめる辺りから一気読み。念写っていうのもアリだなぁと思えるようになり、極めつけは英一が「小暮さんの気配」に挨拶をちゃんとしたシーンでグッときた。なんだか皆ちゃんと人の気持ち慮って生活しているよね。だからこそ目つきや言葉に鎧を着せないと過ごせなくなってしまうこともあるんだね。小暮写真館という駅でちょっと心を休めてまた「さてと・・・」とゆっくり出発する。そんな心地よい読後になりました。
読了日:05月29日 著者:宮部 みゆき
しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
いや泣けたわ〜なんかいいなぁ。結局あんまり『キチッキチッ』とは解決されていないのだけど、でもいい!人間弱いとこあるし、もっと上手く立ちまわればいいのに!ってこともあるけど、変えられない自分ってのもあるし。グダグダと考えこんじゃうとドンドン悪く転がっていくこともある。でもね、でもね!解ってくれる人もいるじゃん。声かけてくれる人も見守ってくれる人もいるよ!って元気出る本。一門会の場で「がんばってやー」の掛け声は鼻の奥がツンとして、村林の噺ではもう泣けた泣けた!この本、好きだなぁ。
読了日:05月28日 著者:佐藤 多佳子
第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music
よかったなぁ。この本好き。そう、自分で音をだしながら皆の音も聞くんだよね。その時一つになれた充足感はハンパない快感だ!娘の、学芸会に向けてのオーディションで希望の楽器を勝ち取った誇らしげな顔やピアノの発表会で大失敗して大泣きした顔が思い出されてホッコリ(*^_^*)マーチングの練習と言いながら隠れ遊んだあの日、渡せなかったチョコ、先輩がいなくなる卒業式・・私の青春時代もかぶるかぶる〜そして「裸樹」ウチの気持ちがせまってくる。周りの気配ばかり聞いていても、気持ちの良い空気は奏でられない。最後ウチは強くなる!
読了日:05月23日 著者:佐藤 多佳子
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)
面白い!サンデル教授の絶妙なナビに導かれて「考える」ということ自体がワクワクする。この講義終了後も学生同士で討論続けたり、あるいは個人独りで再度咀嚼しつづけている姿が自然に思い浮かぶ。そして、「正義」とは?子どもが幼い時は危険が『悪』そして「良い母親に見られる為に行っていること」はないだろうか!今までカントとか哲学なんて私の生活には全く皆無だったけど、具体例が効いているのか一生懸命、学生達とともに考え、そのことを楽しんでいる自分にとても満足(^^)v
読了日:05月22日 著者:マイケル サンデル
てるてるあしたてるてるあした
誰にも愛されず満たされないと、照代の母のようにいつまでも子どものように受身でしかいられないのか?悲しいね。愛がないってそれほどに心が渇望してしまうのね。。。でも、でも、沢井やす子さんの前には久代さんがいたのに。ちゃんと向き合ってくれた久代さんが。「沢井やす子」の弱さが悲しい。最初の頃の照代の荒み方も不安定感も15才の少女があの状態に放りだされたら仕方がない。よくぞ周りの温かさに気付いた!自分が変わることで失ったかに見えた愛を家族の関係をもう一度築くことができるのだ!照代、偉いよ!そして、久代さんは最高だ!
読了日:05月21日 著者:加納 朋子
小さいおうち小さいおうち
あぁ。あの時代の一般家庭の奥さまは、ある意味守られていたのだなぁと、今まで描いていた戦時中のイメージとは異なる印象を持ちました。現代に生きる健史は「おばあちゃん能天気すぎる」と非難するけれど、時子ご夫妻の暮らしが急に一変するのではなく、外の影響を少しづつ受けながらも穏やかに暮らしている様子が、逆にリアルティがあるような気がして納得しながら読みました。賢い女中と自分の手元から嫁がす気概で女中を仕込む女主人。この二人がいる「小さいおうち」の世界は、正に良き時代のものであり、いつまでも続いていて欲しかった。
読了日:05月18日 著者:中島 京子
スコーレNo.4スコーレNo.4
「可愛い」に縛られ自分を卑下する麻子。「人を押しのけても絶対に!」という執着心がないから自分には愛する資格がないと揺らぐ麻子。もしこれ以上グチグチ言ったり、どうせ私なんか・・とやる気の無さを見せていたら、イラッとして引いていたと思う。でも、麻子は違った。結局ね、自分を曲げてないし、自分の“見る目”を信じていたし、“何かを隠されている穴ぼこなんて跨いで通ればいい”という強さを持っているのだ。後は自分の人生を信じること。やっぱり「家族」っていうスコーレ(学校)は大きいなぁ。育ち方が自信の後押しをしてくれるね。
読了日:05月15日 著者:宮下 奈都
無花果の実のなるころに無花果の実のなるころに
面白かったけど・・こんな風に手際が良くてお料理上手な男の子の話、どこかで読んだことあるような気がする。どの話のキャラとかぶるのかな。コナン君かな?曽野綾子さんの「太郎物語」かな?どっちもこんなにお利口さんの良い子ではないか・・コナン君は料理作らないしね。うーん。思い出せない(>_<) 鼻につくわけではないし、面白く読んだのだけど。でも私は西條奈加さんの本は江戸設定の話の方が好きだな。
読了日:05月13日 著者:西條 奈加
一刀斎夢録 下一刀斎夢録 下
真に拠って立つ処がなかったということか。。。それを自分で認められず、しかし無意識に鉄之助を己の変わり身として、ある時はイラつき、ある時は憐れみ、そして生を託したかったということなのか?新撰組時代は長州人らを不逞浪士として命を追いっていたのが、一転、逆賊となり、さらに維新後は官軍として謀反士族を制する側となる。この翻弄されたというべき人生の語りは、まさに「夢録」であり、読み切った今も胸の内でこなれることが出来ない。本当に命をかけるということを知り得ない私にとっては剣の奥義を垣間見ることも難しかった。
読了日:05月11日 著者:浅田 次郎
一刀斎夢録 上一刀斎夢録 上
いやいや、読み終えるのにすごい時間がかかった!しかもまだ上巻(>_<) 坂本竜馬が好きな私としては、新撰組は悪者としてのイメージが刷り込まれているからかしら。かなり前に読んだ「壬生義士伝」は引き込まれて読んだのだけど、こちらは『夢録』だけに、読み始めると私が夢に引きづり込まれる(笑) 人は皆、糞袋。という彼であるが、人が結ぶ縁を語ったり、子どもには情が必要と語ったりするのも一興。 新撰組は死場所を見失ったとよく言われるが、なるほどこうやって虚実入り交ぜて、厄介払いも言葉を変えて、大義名分つくっていたのか。
読了日:05月08日 著者:浅田 次郎
影法師影法師
自分の才覚と努力で上りつめていく話は、もろ好み!と思っていたら、このタイトル『影法師』。ここまで自分を表に出さず支え続けるというのは、それだけ封建制度の中で身分を越えて大願を成就させるということがいかに大変か!という表れなのだろうか。武士道からなる金打の誓い。「侍として死にたい」という熱い思いは、単に姿形の『侍』ではなかった。真の『侍の心』だったのですね。百姓一揆で感じた思いもこの話の中では、勘一の気持ちにだけ光をあてて描いているけれど、言葉にして表されていない影の気持ちが読み終えた後に胸にせまります。
読了日:05月05日 著者:百田 尚樹
バイバイ、ブラックバードバイバイ、ブラックバード
システムとか戦略なしに子どものサッカーみたいにボールを追って、わあ、って走る。自分の気持ちのまま声をかけずにはいられない。それが、自分を良く見せようとか人と競うとか気持ちが一切入っていないから、自己中心の嫌な奴じゃなくて魅力的な男ってことになるのかな。自分が助かろうとする危険な企てに彼女達を巻き込むことはしなかったものね。だからこそ繭美は「助ける」という文字を辞書に復活させたんだ!足が震えながらも独り前進しようとしている男を前にしたら、やっぱり人は守ってやろうとするよね。あ、やっぱり繭美は人だったね(笑)
読了日:05月03日 著者:伊坂 幸太郎
つばさものがたりつばさものがたり
優しい人があふれているお話。自分は家族の希望の星だからと倒れるまで頑張って、そして、そのお兄ちゃんは少しでも妹を楽しませようと背におぶって走る。正に天使のお気に入りの家族なのに、代二郎のオーラはなぜ臭いのだろう(笑)レイの話は現実離れかもだけど、ジャンプテストの様子は思わずワクワクして小麦と一緒に興奮!「ごっこ遊び」の延長としながらも真面目にアドバイスしている代二郎はとても素敵なお父さんよね。道恵も好き!パティシエになる決意とか叶夢に対して心配しすぎずに見守っている姿勢とか男前だわ。ホントに良い家族よね。
読了日:05月01日 著者:雫井 脩介

読書メーター